初めて墓石を購入しようと思っている人は、墓石材の種類や違いについての知識を持っておくと、自分が満足出来る墓石を手に入れることが出来るでしょう。
一般的に墓石には花崗岩が使われるケースが多いですが、これは硬度が高く、年月が経っても劣化しにくい特徴があるからです。
一言で花崗岩といっても、同じ花崗岩でも含まれる成分の違いで色が違ってくるため、バリエーションが非常に豊富です。
日本では瀬戸内海沿岸や茨城県、福島県や愛知県で多く産出されている花崗岩ですが、海外に目を向けてみると中国産の最高峰黒龍も人気があります。
黒龍は水分を吸収しにくい素材で、高級感がある濃い青色をしていることから非常に人気があります。
素人が墓石選びをするときには、これらの知識を頭の片隅に置きつつ実際の石材を目で見て確認する事が大切です。
カタログやパソコンの画面で見た墓石と、実際に目で見た墓石とではやはり違うものに見えてしまうため、出来ればサンプル品の実物を自分の目で見て確認し、触った時の手触りなども判断材料に加えながら墓石を購入することがオススメです。
時代の変化の中で、葬儀関連の行事も様々なものが登場しています。
そのために、個人のお墓への価値観も色々なものがでてきました。
従来からの形式もありますが、今は自分の好きなデザインや言葉を入れることも増えています。
確かに、宗教によって違いはありますが最終的には自身の言葉や、家族が故人を想う言葉を使うことが多くなります。
宗教関連で言葉を刻む場合には、南無阿弥陀仏や、南妙法蓮華経などがあります。
他にも、諸法無我というものがあり、意味は「存在」を表し、「無我」とは「永遠に続くものはない」と言うことです。
したがって、諸法無我とは「一切の存在は永続的なものではなく、本来の世界から見た場合、幻の世界」ということになります。
この世で存在というのは、一切が『空』になり、霊的なる存在のみに実在があり、それ以外のものは実体が無いということです。
このような深い意味がある言葉や、「静偲」は静かに偲ぶのように家族が故人に願う言葉の場合もあります。
決め事というわけではなく、どんな言葉でも自分の人生に関係することであったり、こだわりの言葉でも良いでしょう。
近年、日本でも墓石は従来のタイプ(和型)からもっと自由なデザインが可能な、いわゆる「デザイン型」に人気が移行しつつあります。
このデザイン型墓石は、故人や遺族の信仰する宗教宗派(特定の宗教宗派を意識して信仰していない場合も含めて)などを問わず、完全に自分の好みに合わせてデザインができます。
多くの場合、縦長の和型に比べ地震でも倒れにくいという利点もある横長の「洋型」や「和洋折衷型」が選ばれますが、故人が生前好きだったものの形や職業などにちなんだものの形をモチーフにする方もいます。
例えばサッカーボールや様々な楽器などです。
なお、これは一般的な形の洋型ないし和洋折衷型墓石を選んだ人が墓石のレリーフとして刻むこともできます。
日本ではまだ少数派であるクリスチャンの方が、周囲の雰囲気に溶け込みつつキリスト教的なモチーフを取り込んだデザインの墓石にするため、キリスト教美術で神聖なモチーフとされるバラやユリ、鳩などのレリーフを刻むこともあります。
墓石に刻む文字も自由な点も、デザイン型墓石の良さです。
漢字一文字や自分の座右の銘とする言葉、あるいは信仰する宗教宗派の聖典の一節など様々な文字が選ばれています。
今まで墓石のデザインは和型の縦長のものが一般的でしたが、最近では洋型も増えています。
洋型は和型に比べて横に長く、背が低いのが特徴です。
モダンなデザインで、墓石に手が届きやすい高さであるということから、墓参りをしたときに、お手入れや掃除をしやすいというメリットがあります。
また、洋型の場合は、文字を彫刻する盤面が横長になるので、和型よりも自由度が高くなります。
お墓に入る故人の名前ではなく、故人が好きだった言葉や好きな詩の一節、またイラストなどを彫刻したものなども自由度が高くなっています。
そして、洋型の墓石の場合、黒や白だけでなく、様々な色の石材を使っているので、好きな色を選ぶことができます。
赤やピンク、緑など今まで墓石に使われることが無かった色も増えており、オリジナル性が強くなっています。
洋型の墓石はデザイン性に富むという特徴をもっており、オルガン型やストレート型、プレート型などがあります。
墓石のデザインは自由に選べますが、管理している霊園によっては、規制があるところもあるので、確認してから墓石の制作依頼をしましょう。
和型の墓石の基本的なデザインは縦に長く造られています。
日本では昔から良く見かける一番一般的な形の墓石です。
和型の墓石は伝統に裏付けされているデザインとなっていることが特徴で、その伝統的で雰囲気が格式高く重厚的な和型の墓石は今でも多くの人に選ばれているデザインです。
和型の墓石の構造は、竿石、上台、中台、芝台が重ねられていますが、その中の芝台があるかないかという違いで四段構造か、三段構造が一般的になっています。
四段構造については竿石部分に多様な加工方法があり、見た目が異なる墓石が多いのが特徴です。
竿石上部の加工方法には、滑らかな山形の曲線を描いたものや、真っ直ぐに切ったままの形のもの、四面を斜めに切って三角形に見えるものなどがあります。
また、下台の下に石をもう一段増やしたり、昇華台などを竿石の下に置くような墓石のデザインもあります。
墓石に使われている石には、硬くて吸水性が低く、風化しにくく、きめが細かいといったような墓石に向いている黒い石や白い石などの石には大変多くの種類があります。
石の種類を選ぶことも墓石のデザインにおいては重要な要素となります。