ご先祖様を祀ってあるお墓ですが、そう頻繁にお参り出来ないという方も多いのではないでしょうか。
例えば、住んでいる場所が墓地からとても離れた場所にあったりすると、行けるときが限られてしまいますよね。
そもそも、お墓参りは午前中に行くのが良いとされています。
なぜかというと、まずお墓参りを優先すべきという考え方からです。
さらに、お墓参りというのは、ただ行ってお線香をたむけるだけではなく、墓石やその周りのお掃除もしなければなりません。
こういったことは明るいうちに済ませるのが良いですから、必然的に午前中などの早い時間に行くことが良いという風習が根付いています。
適した時期は月命日やお盆、お正月などです。
さらに春と秋にあるお彼岸の時期が一般的です。
なぜお彼岸が適しているか、現代の若い人は知らない方も多いかもしれません。
この理由としては、その時期は極楽とこの世が最も近づく日と言われているからなのです。
ご先祖様への想いも届きやすいと言えますね。
お盆も同様です。
亡くなった方がこの世に帰って来ると言われていますから、その時期にお墓参りに行くことが風習となったのです。
お墓は先祖代々守っていくものですが、住んでいる場所から遠い場所にある場合、管理が大変です。
特に高齢になると、お墓が遠方にある場合は頻繁に通うことができなくなりますが、それでも先祖代々守ってきたお墓はしっかり管理したいというときは、菩提寺や墓所管理者様と御相談の上、お墓を改装することが出来ます。
お墓の改葬とはお墓を移動することで、近年、お墓のお引越しを考える方が増えています。
改装するときに必要なことは、まずは新しい墓地を決めることです。
お墓の中には遺骨などが入っていますから、しっかり引っ越し先を決めてから改装を行います。
そして新しい墓地を取得して、埋葬許可を貰ったら、今までお墓があった市町村の「改葬許可申請書」を申請します。
市町村の「改葬許可申請書」をもって、新しく埋葬する場所に届け出をすれば、お墓のお引越しをすることができます。
遺骨を移す時に、読経してもらうのが一般的ですが、その際に、これまでお墓を管理してもらったお礼として、ある程度お包みします。
お包みする額は、それぞれの宗派やお寺によって異なりますから、事前にお包みする相場を調べておくと良いでしょう。
墓石を建てたり設置しただけでは魂が入っていないために本当の意味でのお墓とは言えないとされます。
墓石に魂を入れることで初めてその墓石は仏塔になったとされ、故人が安住できる浄土となるとされています。
墓石に魂を入れる事を「開眼法要」といいます。
開眼法要の「開眼」とは、仏像に眼を入れる事を行う際に魂も同時に入れることで、そこで初めて仏像が完成を迎えるという儀式が墓石に魂を入れるという開眼法要の由来とされています。
開眼法要の儀式の流れについては、墓石を建てた時にはまだ魂の入っていない状態のため、法要が行われるまでの間には、邪気が入り込まないようにという意味で、墓石に白い布が巻かれます。
この布は儀式が行われるまで決して取り除かれる事はありません。
開眼法要当日には僧侶にお経をあげてもらい、儀式に参加した人は全員が焼香をします。
読経が終わったら礼拝して開眼法要の儀式が終了となります。
入魂式や魂入れと呼ばれる事もあり、開眼法要はお祝いごととされています。
墓石を建てた場合には、開眼法要と同時に納骨法要も行われるのが一般的な事です。
7月15日頃の時期とされるお盆はご先祖様がこちらの世界に帰ってくるとされている期間のことです。
お盆の期間に入った日は迎え盆と呼ばれ、火を焚いてご先祖様をお迎えします。
お盆が明けた日は送り盆と呼ばれ、火を焚いてご先祖様を極楽浄土に送るということを行います。
また初盆には四十九日や1周忌というような法事法要とは別に法要の儀式が行われたり、ご先祖様などのお墓参りをする期間とされています。
お彼岸とは3月の春分の日と9月の秋分の日の前後3日間を含めた計7日間に行われる仏事のことです。
お彼岸は極楽浄土とこちらの世界が近くなる日とされています。
その理由は、お彼岸の言葉の意味が極楽浄土のことを指しているということと、お彼岸の時期には太陽が真西に沈むのですが、その方角に極楽浄土があるとされているからです。
そのため、この期間にはお寺では法要が行われ、ご先祖様や亡くなった身近な人のお墓参りをするのが一般的とされています。
お盆とお彼岸は、時期や期間の違いや行われる儀式などの内容の違いがありますが、大きな共通点は両方ともご先祖様を敬う日ということです。
お墓参りをする際、特にお盆時期などはお花以外に故人の好きだったのであろうものがお供えされているのを見ることがありますが、お墓にお供えしてはいけないものはあるのでしょうか?
一般的にはお供え物はお花、お線香、水、果物ということが多いですが、故人の好物だったお菓子や酒、たばこをお供えする人もいます。
しかし、お供えするのは良いのですが、お墓参りが終わったら持って帰るのが理想的です。
食べ物など鳥などが荒らしてしまう可能性があるものは散らかってしまいますし、たばこは雨が降るとヤニが染み出してお墓を汚してしまいます。
墓地の管理者やお寺などの迷惑になるため、食べ物はお参りの間だけお供えして、持ち帰りすることがマナーと言えます。
また、殺生を連想させる生肉などはお供えしない方が良いとされます。
お参りの間お供えした物は家に持ち帰っても良いですし、お寺の墓地の場合はお寺へご供養としてお渡しするのもスマートです。
その際はお供え物は包装した状態にしておくと良いです。
また、お酒をお供えする際、お酒を直接墓石にかけると石が傷むので辞めておきましょう。