7月15日頃の時期とされるお盆はご先祖様がこちらの世界に帰ってくるとされている期間のことです。
お盆の期間に入った日は迎え盆と呼ばれ、火を焚いてご先祖様をお迎えします。
お盆が明けた日は送り盆と呼ばれ、火を焚いてご先祖様を極楽浄土に送るということを行います。
また初盆には四十九日や1周忌というような法事法要とは別に法要の儀式が行われたり、ご先祖様などのお墓参りをする期間とされています。
お彼岸とは3月の春分の日と9月の秋分の日の前後3日間を含めた計7日間に行われる仏事のことです。
お彼岸は極楽浄土とこちらの世界が近くなる日とされています。
その理由は、お彼岸の言葉の意味が極楽浄土のことを指しているということと、お彼岸の時期には太陽が真西に沈むのですが、その方角に極楽浄土があるとされているからです。
そのため、この期間にはお寺では法要が行われ、ご先祖様や亡くなった身近な人のお墓参りをするのが一般的とされています。
お盆とお彼岸は、時期や期間の違いや行われる儀式などの内容の違いがありますが、大きな共通点は両方ともご先祖様を敬う日ということです。
お墓参りをする際、特にお盆時期などはお花以外に故人の好きだったのであろうものがお供えされているのを見ることがありますが、お墓にお供えしてはいけないものはあるのでしょうか?
一般的にはお供え物はお花、お線香、水、果物ということが多いですが、故人の好物だったお菓子や酒、たばこをお供えする人もいます。
しかし、お供えするのは良いのですが、お墓参りが終わったら持って帰るのが理想的です。
食べ物など鳥などが荒らしてしまう可能性があるものは散らかってしまいますし、たばこは雨が降るとヤニが染み出してお墓を汚してしまいます。
墓地の管理者やお寺などの迷惑になるため、食べ物はお参りの間だけお供えして、持ち帰りすることがマナーと言えます。
また、殺生を連想させる生肉などはお供えしない方が良いとされます。
お参りの間お供えした物は家に持ち帰っても良いですし、お寺の墓地の場合はお寺へご供養としてお渡しするのもスマートです。
その際はお供え物は包装した状態にしておくと良いです。
また、お酒をお供えする際、お酒を直接墓石にかけると石が傷むので辞めておきましょう。
初めて墓石を購入しようと思っている人は、墓石材の種類や違いについての知識を持っておくと、自分が満足出来る墓石を手に入れることが出来るでしょう。
一般的に墓石には花崗岩が使われるケースが多いですが、これは硬度が高く、年月が経っても劣化しにくい特徴があるからです。
一言で花崗岩といっても、同じ花崗岩でも含まれる成分の違いで色が違ってくるため、バリエーションが非常に豊富です。
日本では瀬戸内海沿岸や茨城県、福島県や愛知県で多く産出されている花崗岩ですが、海外に目を向けてみると中国産の最高峰黒龍も人気があります。
黒龍は水分を吸収しにくい素材で、高級感がある濃い青色をしていることから非常に人気があります。
素人が墓石選びをするときには、これらの知識を頭の片隅に置きつつ実際の石材を目で見て確認する事が大切です。
カタログやパソコンの画面で見た墓石と、実際に目で見た墓石とではやはり違うものに見えてしまうため、出来ればサンプル品の実物を自分の目で見て確認し、触った時の手触りなども判断材料に加えながら墓石を購入することがオススメです。
時代の変化の中で、葬儀関連の行事も様々なものが登場しています。
そのために、個人のお墓への価値観も色々なものがでてきました。
従来からの形式もありますが、今は自分の好きなデザインや言葉を入れることも増えています。
確かに、宗教によって違いはありますが最終的には自身の言葉や、家族が故人を想う言葉を使うことが多くなります。
宗教関連で言葉を刻む場合には、南無阿弥陀仏や、南妙法蓮華経などがあります。
他にも、諸法無我というものがあり、意味は「存在」を表し、「無我」とは「永遠に続くものはない」と言うことです。
したがって、諸法無我とは「一切の存在は永続的なものではなく、本来の世界から見た場合、幻の世界」ということになります。
この世で存在というのは、一切が『空』になり、霊的なる存在のみに実在があり、それ以外のものは実体が無いということです。
このような深い意味がある言葉や、「静偲」は静かに偲ぶのように家族が故人に願う言葉の場合もあります。
決め事というわけではなく、どんな言葉でも自分の人生に関係することであったり、こだわりの言葉でも良いでしょう。
近年、日本でも墓石は従来のタイプ(和型)からもっと自由なデザインが可能な、いわゆる「デザイン型」に人気が移行しつつあります。
このデザイン型墓石は、故人や遺族の信仰する宗教宗派(特定の宗教宗派を意識して信仰していない場合も含めて)などを問わず、完全に自分の好みに合わせてデザインができます。
多くの場合、縦長の和型に比べ地震でも倒れにくいという利点もある横長の「洋型」や「和洋折衷型」が選ばれますが、故人が生前好きだったものの形や職業などにちなんだものの形をモチーフにする方もいます。
例えばサッカーボールや様々な楽器などです。
なお、これは一般的な形の洋型ないし和洋折衷型墓石を選んだ人が墓石のレリーフとして刻むこともできます。
日本ではまだ少数派であるクリスチャンの方が、周囲の雰囲気に溶け込みつつキリスト教的なモチーフを取り込んだデザインの墓石にするため、キリスト教美術で神聖なモチーフとされるバラやユリ、鳩などのレリーフを刻むこともあります。
墓石に刻む文字も自由な点も、デザイン型墓石の良さです。
漢字一文字や自分の座右の銘とする言葉、あるいは信仰する宗教宗派の聖典の一節など様々な文字が選ばれています。